

当館では1999年の開館から2021年まで絵画の公募展を継続し、その時代ごとに表れる絵画表現の変遷を映し出してきました。また、新たな才能の発掘と育成を目指し、公募展の受賞者・入選者による展覧会「アーティストシリーズ」を並行しておこなってきました。当館の特色として広く認識されてきたこれらの取り組みは、一過性のコンペティションの枠組みを超え、新進作家たちの挑戦の場としての役割も果たしてきたと言えます。本展では、これまでの「アーティストシリーズ」の取り組みを継承しつつ、当公募展の入選者の中からその後も継続して活動をおこなっているアーティストをグループ展形式でご紹介します。
本展で紹介する3名のアーティストの作品は、いずれも風景にまつわる要素をそれぞれの視点で再考する試みが見受けられます。植田陽貴は幼少期に過ごした山深く自然豊かな原風景や、自身が訪れた場所で出逢った光景をもとに、現地で受けた体感の表出を描く行為の中に見出します。阪本結は身近な風景の観察を描写に置き換え、線の集積をつなぎ合わせながら画面の中でいびつに連なる新たな風景を立ち上げます。谷内春子はプリズムがつくりだす光の形を基点に、実空間と絵画空間の双方の関係とその認識を検証しながら絵画における色や形が持つ役割を探ります。3者の作品に見られる絵筆の動きからは、各々が描くことを通して思索する姿が感じられるのではないでしょうか。それぞれのアーティストと作品との対話、そして「風景」をキーワードに3者の作品が対話する展示空間をぜひお楽しみください。
2025年10月10日(金)~ 12月4日(木)
10:00〜19:00(入館は18:30まで)
月曜日(祝日の場合は開館、翌平日が休館)
一般 350円(300円) 中学生以下無料
- ( )内は各種割引料金(20名以上の団体、清須市立図書館貸出利用カード提示者など)
- 各種障がい者手帳等提示者及び付添人1名は無料
【3館連携相互割引】
一宮市三岸節子記念美術館 特別展「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」(10月11日(土)~11月24日(月・祝))、稲沢市荻須記念美術館 特別展「荻須高徳 リトグラフ展-稲沢市荻須記念美術館コレクション-」(10月24日(金) ~ 12月7日(日))のチケット(半券可)のご提示で割引料金(1枚につき1名限り、割引の併用不可)
清須市はるひ美術館
国際芸術祭あいち2025 パートナーシップ事業
清須市はるひ美術館 収蔵作品展
植田陽貴/Haruki Ueda

《骨と翻訳》2025年 油彩、キャンバス

《光について》2024年 油彩、キャンバス

《骨と翻訳》2025年 油彩、キャンバス

《光について》2024年 油彩、キャンバス
阪本結/Yui Sakamoto

《Landscapes》2024年 油彩、アクリル、パステル、色鉛筆、キャンバス 撮影:Haruka Oka

《Landscapes》2023年 油彩、アクリル、パステル、キャンバス

《Landscapes》2024年 油彩、アクリル、パステル、色鉛筆、キャンバス 撮影:Haruka Oka

《Landscapes》2023年 油彩、アクリル、パステル、キャンバス
谷内春子/Haruko Taniuchi

「知覚する風景」展示風景 2024年(2kwgallery)撮影:麥生田兵吾

《Overlapping landscape #2》2025年 膠彩、麻紙 撮影:麥生田兵吾

「知覚する風景」展示風景 2024年(2kw gallery)撮影:麥生田兵吾

《Overlapping landscape #2》2025年 116.7×161.8cm 膠彩、麻紙 撮影:麥生田兵吾
関連イベント
アーティストリレートーク
出品作家3名が展示作品を前にお話しします。
10月11日(土) 13:30~(1時間ほど)
植田陽貴、阪本結、谷内春子(いずれも出品作家)
加藤恵(清須市はるひ美術館学芸員)
不要 無料(要観覧券)
【3館連携相互割引】
当館「アーティストシリーズ+」のチケット(半券可)を以下の各展覧会にてご提示で観覧料が割引になります(1枚につき1名限り、割引の併用不可)。
・一宮市三岸節子記念美術館
特別展「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」
会期:10月11日(土)~11月24日(月・祝)
・稲沢市荻須記念美術館
特別展「荻須高徳 リトグラフ展-稲沢市荻須記念美術館コレクション-」
会期:10月24日(金) ~ 12月7日(日)